発明


特許などに出願したら、真似されないので安心 と思っている人も多いのではないでしょうか。自分が出願したアイデアと似たような商品が、販売されていた時の対応を、「特許・実用新案・意匠」と3つのシリーズに分けてお話ししたいと思います。

1.特許の場合

 

他人が自分の特許を侵害していると思われる場合には、まず自分の特許が現段階において存在しているか(権利が有効であるか)を確認します。

 

 

特許は、出願しただけでは権利として登録されていません。審査請求という手続により特許庁で審査が開始され、この審査を通過し、特許料を納付をしたものに特許権が与えられます。

 

 

 

 

特許出願手続きの流れについてはこちら >>

 

 

 

 

審査を通過した特許には、特許証が発行されるとともに特許第○○○○○○号という特許番号が付与されます。特許として登録された後であっても、特許を維持するために毎年特許料を支払う必要があります。支払いを怠った場合には、特許権は消滅します。

 

 

自分の特許が存在しているかを確認するには、特許情報プラットフォームから自分の特許権を検索することができます。

 

 

 

<特許情報プラットフォーム>
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage

 

 

 

特許として登録される前、つまり、特許出願後であって審査請求前に他人の侵害行為を発見した場合には、警告をしておくことにより登録後に実施料相当の金額を請求することができます(特許法第65条)。

 

 

 

 

2.特許の技術的範囲に属するか

 

他人の販売している製品が、登録されている特許の「特許請求の範囲」に記載されている内容に属するか否かを確認します。「特許請求の範囲」の請求項1には、多数の構成要素が記載されていると思われますが、そのすべてを満たす必要があります。

 

 

1つでも当てはまらない要件があった場合には、原則として特許権の侵害は成立しません。ただし、例外的に間接侵害という行為に当てはまる場合には特許権の侵害が認められます(特許法第101条)。

 

 ◆間接侵害に該当するケース

 

 

・特許製品の生産にのみ用いる物の実施

 

・特許製品の生産に用いる物であって、国内に広く流通しておらず課題の解決に不可欠であって、特許発明であること及びその発明の実施に用いられることを知りながら、その物を実施する行為

 

・特許製品を譲渡、輸出のために所持する行為

 

 

 

上記は特許が物の発明である場合ですが、方法の発明である場合も同様となります。

 

 

 

 

3.警告書の送付

 

特許権を侵害していると思われる他社に対して、警告状を内容証明郵便で送ります。警告状には、少なくとも特許番号、相手方の製品、侵害の事実、対応して欲しい内容、応答期限等を記載します。記載内容は、後に訴訟となった場合に影響してくる可能性があるため、専門家(弁理士・弁護士)に相談したほうがよいでしょう。

 

 

相手から応答があった場合には、放置することなく対応します。相手方が即座に販売中止等の措置を執った場合には、訴訟に至ることはないでしょう。

 

 

訴訟となると、金銭的・時間的な負担が大きいため話し合いの段階で双方合意できれば望ましいです。相手方が特許発明の実施を希望した場合には、ライセンス契約を締結することも考えられます。

 

 

実施許諾には、1社のみに許諾し自らも実施することができない専用実施権と、複数に自由に許諾することができる通常実施件とがあります。ライセンス契約の内容や実施料については、発明の内容、技術分野、企業規模等によってケースバイケースとなります。

 

 

 

 

 





執筆者
 
牛田特許商標事務所
弁理士 牛田竜太

個人発明家から中小企業まで分け隔てなく親身になって対応してくれる弁理士。特許・商標の侵害やライセンス契約など、知的財産に関わるさまざまな場面で力になれる専門家であると同時に、共に歩んでいける良きパートナーとなることを目標としている。

資格:弁理士、弁理士特定侵害訴訟代理業務付記登録、エネルギー管理士、初級システムアドミニストレータ